Verification Report
俯瞰カメラでの精度改善:カウントライン設定で55%→87%に向上
2026-04-21
検証条件
場所スペイン・マドリード M-30幹線道路(橋上俯瞰カメラ)
カメラ橋上設置固定カメラ 1200×720 / 30fps(曇天・霧)
撮影時間約313秒(9,390フレーム)
解析プロンプト“車両(乗用車・バン・トラック・バイク)をすべてカウントして”
検証結果
| 項目 | AI計測 | 手動計測 | 精度 |
|---|---|---|---|
| ラインなし(初期設定) | 430 | 238 | 55.3% |
| 縦ライン x=50% | 66 | 238 | 27.7% |
| 横ライン y=25%(最適) | 206 | 238 | 86.6% |
| 乗用車・バン(最適設定) | 200 | 233 | 85.8% |
考察・ポイント
- 01俯瞰カメラ(橋上)では車両が画面上部(y=10〜40%)にしか映らない。y=50%ラインでは車両が橋の下に消えてからしか横断しないため10台しか検出されなかった。
- 02グランドトゥルースのアノテーション分布を分析したところ、GT車両の75%以上がy=10〜40%の領域に集中。この知見からy=25%ラインが最適と判断した。
- 03ラインなし設定では同一車両が視野に入るたびに新しいIDを付与される再認識ミスが発生し、GT238台に対してAI430台(+81%)の過検出になった。
- 04最適設定(横ライン y=25%)では乗用車・バンの合算精度85.8%を達成。カメラ設置位置と映像の特性に合わせたライン設定が精度の鍵となる。
俯瞰カメラ映像の特性
M-30-HDの映像は橋の上から道路を見下ろす俯瞰視点です。側方カメラ(M-30)と異なり、車両は画面の上部から現れて橋の下に消える動きをします。このため「車両が画面全体を横断する」ことを前提としたデフォルト設定では精度が大きく低下します。
なぜラインなしで430台も検出されたのか
ラインなし設定ではByteTrackが各車両に付与した追跡IDの総数をカウントします。俯瞰映像では車両が視野外(橋の下)に消えたあと反対方向から再登場する場合があり、同一車両に新しいIDが付与されます。これが「再認識ミス」による重複カウントです。GT238台に対してAI430台(+81%)となった主因です。
GT分布分析によるライン位置の決定
GRAM-RTMのアノテーションデータを分析したところ、GT車両のcentroid y座標の75%以上がy=10〜40%の領域に集中していることが判明しました。つまり車両の多くは画面上部に映っているうちに橋の下へ消えます。y=50%のラインは車両が到達する前に消えてしまうため無効でした。y=25%に設定することで、ほとんどの車両がラインを横断するタイミングで検出できます。
設定前後の比較
ラインなしの55.3%からy=25%横ラインで86.6%まで31ポイント改善しました。乗用車・バンの合算では85.8%の精度です。同じ映像・同じモデルでも、カウントライン1本の設定で精度が大きく変わることを実証しました。
カメラタイプ別の推奨ライン設定
側方カメラ(道路横)の場合はラインなし、または中央付近の縦ライン(x=40〜60%)が有効です。俯瞰カメラ(橋上・高所)の場合は、まず映像を確認して車両が映っている高さを把握してから横ライン(y=20〜35%)を設定することを推奨します。
